「あ、きたきた!」


いつも一緒にいる咲(サキ)が入口の方に向かって手を振っている。



「結菜(ユウナ)、あの右側の人だよ!」


あたしにこっそりと耳元で話す。






――――そう、こうなるのは少し前から決まっていた。


咲が5組にいる友達が好きで、2人で会うのは気まずいから一緒に来て、と言われて来た。

向こうも友達を連れて来ているらしい…。



咲の協力はしたいけど、正直言うと帰りたい…。