「決めた。今日は薬製作ね」


あの薬なら今日一日だけで作れるだろう。

材料だって変なのはない。


この前、猫の毛が材料に含まれていてラプンツェルと大喧嘩したのはいい思い出だ。

ちなみにその後一週間、顔の引っ掻き傷は消えなかった。




「…ん?」


朝食が終わって、アフターティー。

その最中、何か変な音がした。


…何かしら。

バッサバッサ、って、羽音みたいな。



「グルリット?」


あの子の羽音はこんなに大きくない筈だけど。

ふとラプンツェルを見ると、この部屋唯一の窓の方を見て毛を逆立てている。


「シャーッ!」

「ラプ?」


つられるようにその窓へ、目を向けると。



「え」



そこには、窓に挟まった馬

――…否、馬に羽が生えた、いわゆるペガサスがいた。