そのただの馬に羽が生えたヤツはキノコ狩りにおいて全く役に立たないから、グルリットと一緒に採取した。

ラプンツェルはヤツの見張り。

何しでかすかわかったもんじゃないもの。



「よし、カゴいっぱい採れた! さあ、帰るわよ」

「もしもし魔女サン、何故赤い例のキノコ以外にも色々採ってるんです?」

「今日キノコシチューにしようと思って」

「それは僕がキノコ嫌いだと知っていての仕打ちですかあああぁあ!!!」


喚きだしたペガサスを無視して、すたすた歩きだす。

だいたい一国の王子(仮)ともあろうものが、キノコくらい食べれなくてどうするのよ。



「これくらい克服しなさいよ」

「くっ…、わかりました、愛の試練というワケですね…!」

「いや意味わかんない」

「将来一緒に暮らすにおいて、食事は大事ですもんね! これが噂の愛のムチ!! 僕頑張ります!!」



ああ、もううるっさい。

アタシは静かなのが好きなのに、ていうかやっぱりコイツ頭おかしいわ。


グルリットがヤツに攻撃するのをそのままに、アタシは帰路を急いだ。


さあ、とうとう調薬だわ。