零華side

黙り込んだままの将樹さん・・・

「将樹さん?将樹さん!!」

「あ!!ごめんごめんなんだ?」

何だ?じゃなくてこの腕を解放してほしい
そして付き合う!!なんて言った理由も教えてほしい

「この腕と理由・・・」

小さな声で言ったけど将樹さんには聞こえたみたい

「腕はヤダ。このまま聞け」

命令口調の将樹さんの真剣な顔は
すごくかっこよかっただけど
あの人と重ねてしまうどうしても

「お前は俺に気がなくてもいいんだ
 もちろん俺はお前に気がない」

そんな・・・はっきり言わなくても
悲しくなってくる

「でも俺はいつもうぜぇ女ばっかいて迷惑なんだよ
 それにお前も告白されたくないだろ?」

告白?

「あたし、告白なんかされるほど可愛くも無いので・・・」

可愛くないもん、だって朝からあたしは色んな人に
こそこそされてたし・・・

「お前マジで言ってんの?
 やっぱはなさねぇ」

え?離さないってどういう事?
でもあたしにとってその理由は損はしないし
将樹さんの為になるし

あたしは死んだおじいちゃんに
人が困っていたら助けなさい
って毎日のように言われてたから

「わかりました」

しょうがないよね?
おじいちゃん、あたしは困っている人の架け橋
になれそうです

「わかったじゃぁいくぞ寮に。
 案内すっから」

はい?今なんと寮て言ったよね?言ったよねぇ?

「寮ってあたし何にも知らないんですけど」

だってそんな話ママにもパパにも聞かされてないよぉ

「あぁ、俺のばぁちゃんがここの理事長だから
お前の事ならさっき教えてもらった。さぁ行くぞ」

嘘・・・
まぁしょうがないっか行こうっと