お弁当を屋上で食べる・・・

どうしても思い出してしまう
秀に殴られるようになったあの日のこと

「零華か?」

やめて
そんなに優しい声であたしを呼ばないで
秀に重ねてしまうから

将樹さんがゆっくり近づいてくる

「こないで!」

あたしは今までに出したことの無いような
大きな声で叫んだ

「何で?」

怖い殴んないで
徐々にあの日のことを思い出していく

「殴らないで」

そう言ってあたしはしゃがみこんだ

「零華こっち見ろ」

ゆっくりゆっくり上を向いた

「俺は、あいつに見えるか?」

この人は将樹さん秀ではない

「きゃっ!」

将樹さんの腕の中にあたしはまたいた

「俺は、ニセモノであろうがなかろうが
 零華が彼女である限り
 他の男から守ってやるよ なっ?」

上を向いた将樹さんのか顔は
いつもとは違う本当の優しい笑顔だった

「さぁさぁ食べよ?かわいい妖精さん」

「知ってたんですか?」

まさか将樹さんまで知ってるとは思わなかった

「当たり前だ学園中の人気者だ、零華は」

人気者?そんなわけない

「食べよぅ」

・・・あれ