「絵梨、おはよ〜!」
「おはよ〜!」
「なぁ、宿題やった?」
「聞いてよー!昨日ね…」
「まじ、あいつ死ね!!」
教室の雑談をあたしは静かに聞いている。
本を読みながら。
地味で目立たなくてヲタなあたしには、
誰もよりつかない。
静かでなんていう響き。
すごく、過ごしやすい朝である。
「あっ、斎藤!おはよっ!」
「衛!おはよー」
あぁ、もう来たのか。
クラス1のイケメンな男。
斎藤 衛【サイトウ マモル】
必ずあたしに話しかけて来る、変なやつ。
「あっ、竹中はよっ」
「……。」
無言で返す。
男子と話すなんて、嫌だし!
死んでもいいくらい!
つか、死ね!!
「も〜!衛くん、そんなやつに話しかけんなよ!」
「どーせ、返してくれないしさ。」
「ていうか、キモいよね。」
この男子のせいで、あたしはいつも悪口を言われる。
あぁ、もう。
なんでこうなるんだろう…。
すると、斎藤が、
「お前ら、よく知らないくせに悪口言うなよ!」
と、女子に説教をした。
えっ…?
なんで…?
疑問でいっぱいだった。