「警察?」

「'迷惑何とか違反'だから彼女に付きまとうなってさ…そんなんじゃないのに!アイツらが何を知ってるって言うんだ…!」

彼は興奮したように言った。
あたしは落ち着かせようと静かに答えていた。

彼は自分がストーカー扱いされている事に腹を立てていた。

自覚はない…

彼女から、自分がどう見えているのかも分からないでいる。

目の前の恋に
ただ忠実で、ひたすら一途なだけなのに

『付きまとわれてる』と言われるほど、行動は常識さを越えて
完全に自分を見失なっている…

「警察なんかに、僕達の関係や思い出が分かってたまるか!僕がどれほど彼女を愛してるのか知らないくせに」

彼は思ってる事、心の中の熱い想いを出そうと苦しんでいた。

ここからが、あたしの仕事。

「片想いだったのね…それで貴方はどうしたいの?何故あたしの所へ来たの?」

あたしの問いに、彼は悔しそうに膝の上に置いた拳を強く握った。



「もう彼女には会えない…僕は警察で『彼女には会わない』って書かれた書類にサインをしたんだ。

書類なんてクソ食らえだ…!そう思いたいのに彼女を想うと出来ない。彼女が大切だから…これが彼女の意思なら…」