だからキスして。

「…ええっ?何ソレ?意味がわかんない」

100万回って何?

「だから100万回のキスを買うって意味」

「はっ?いっ…意味がわかんない」

先生は半ば呆れたように笑いながら答えた。

「オレがお前と100万回キスするまで一緒に居るって言ってんの」

「…なんで?だって先生は結婚してて…」

「あの頃はすでに別居してたんだよ。お互い終わってるくせに戸籍上は夫婦でいて…

ちゃんとしてないのにお前とは付き合えないって思ってた」

「先生…」

「ずっと好きだったよ。でも立花が自分から居なくなって、オレも捜そうとはしなかった。誰かを幸せにする自信なんてなかったし」

あたしは黙って、先生の呟きを一つも溢すことなく拾う事に専念していた。

「終わっていくのも仕方ないって思ってたけど…この前オレの弟が火事で死んでさ」

「うん…聞いた」

「アイツさー結婚間近だったんだよ。アイツの彼女がスゴくショックを受けて泣いて喚いてるのを見て

なんか後悔した。立花に好きだって伝えない事に後悔してる事に気づいたんだ

もう遅いかもしれないけど、言って後悔する方がマシだなって思って。だから立花を捜してたんだ…」