僕は、今日も星華院さんの姿を見ていない。
星華院さんは、まだ中学に入って1度も授業に出たことが無い。
本人は気付いてないけど、星華院さんのあだな。
「謎の生徒」
教室に顔を出すのは、朝休み。帰り。掃除。
それくらい。
委員会活動もしてないし、部活もやっていない。
ちなみに僕は、バスケ部部長で、生徒会会長。
一応放送部部長も掛け持ちさせてもらってる。
まぁ、こんなのどうでもいいことだけどね。

~キーンコーンカーンコーン・・・・~

3時間目始まりの予鈴。
今日の3時間目は、美術。
うちの学校。
「大阪付属和泉ヶ原中学」。通称「和泉中」は、少し変わっていて、そのときの授業内容にあった部活の生徒が、その授業を進めると言う事になっている。
僕は、美術が大の苦手科目。
今日は、屋上でサボることに決めた。
僕は、両手を合わせ、美術部の人に、「ごめん!サボるわ。」と一言告げ、屋上に向かった。

‘ゴォーー・・・・・・。’

階段を登ってる途中、校内に響く、飛行機の音。
飛行場に近いこの学校では、よくあること。
でも、これって結構授業に集中できない元になるんだよね。
そんなことばっか考えてたら、目の前に、緑色の鉄でできたサビくさい、大きな扉が現れた。

‘キィ――・・・・・。’

という音と共に、僕は屋上の扉を開いた。