ラフ

昼休みの時間になり、同僚2人と一緒に、ご飯を食べに社食へ行った。
すると、社食でも、他の会社の人たちにちらちらと見られた。


「･･･なんかさ、朝から妙にみんなに見られてる気がすんねんなー」

一緒に食事を取っていた2人に相談してみた。

「気のせいやと思うねんけど。自意識過剰なんかなぁ」

ご飯をお箸でつんつんとつつきながら聞いてみると、2人は顔を見合わせていた。

「･･･あのさ、伏見さんって、ピースの高松さんと知り合い？」

「はい？」

「今朝のニュースとかってみた？」

「ううん、見てへん」

2人が言いづらそうに説明してくれた。

「今朝な、ピースの高松さんが、昨日、女の子とデートしてたって、抱き合ってる写真がでててん。で、その写真の女の子ってのが、ネットで顔がでてて。それが、伏見さんそっくりやってさ」

血の気が引くのがわかった。

「なんか、今はプライバシーの侵害とかって、写真消されてるみたいやってんけど、結構その写真見た人、多かったみたいで。私も、その。写真みたし」

頭が痛い。早退したい気分だ。

「昨日、伏見さんって何してた？」

泣きそうになる。まさか、そんなことになるなんて。
なんで、こう、高松にかかわると、厄介な状況ばっかり生まれるのかと、ため息がでた。

「あの、ここだけの話にしてもらえますか？」

観念して、2人に事情を少しだけ説明した。
たまたま、いろいろあって落ち込んでる私を、高松さんが気分転換にと、遊園地へ行き、ふざけて抱きつかれたところだと。
･･･ほんとの理由を説明しようとしたら、彼氏ができたことやらなんやらと、黙っておきたいところまでしゃべらなくてはならなくなるかだ。