マンションの前で降りた。
泉の家とは違って、オートロックもなければ、築年数もかなりたっていて古い。

「泉君のマンションとは違って、狭いけど、我慢してね?」

泉の方を向くと、泉はニコニコしていた。

「え?俺もこんなとこに住んでたことあるし、気にならんよ」

入って正面にある、エレベーターに乗る。5階の中にある一室。
鍵を開けてドアを開ける。
壁にある電気のスイッチを入れて、部屋の中に入った。

「・・・いらっしゃい」

なんだか照れる。と同時に、なんだか恥ずかしい。
片付けもあんまりできてないし。

泉はきょろきょろと部屋の中を見回していた。

「あ、あんまりみんといて、恥ずかしい・・・」

顔が熱い気がした。
とりあえず、飲み物、と冷蔵庫から缶のお茶を取り出した。

「はい、どうぞ」

「ありがとう」

「・・・・・・・・」

びっくりするくらい緊張して、話が続かない。
時計を見ると、あと少しで11時になる。

「えっと・・・、あ、時間も遅いし、お風呂入る?」

「え?」

「お風呂」

泉の顔が赤くなっている。
お風呂に入るかどうか聞いただけ、なんやけど・・・

「えと、じゃぁ、先に」

泉にバスタオルを渡す。
とりあえず、テレビをつけて、少し音量を大きくする。

「あの、着替えはそこでどおぞ。テレビ見てるし」

「あ、うん」

なんか、恥ずかしい。
多分、今、茹蛸みたいな顔してるわ・・・