***** 泉's View *****

ピースの2人が今日のゲスト。ってことは、高松さんもこっちにくるってわけで。
じゃ、奈緒は?高松さんと一緒に居たっていうてたけど、人違い?

「ちょっと、ピースの控え室行ってくる」

ああ、と堺はそのまま見送った。
大部屋から出て、少し行ったところにある控え室。【ピース】と書かれた紙が張ってあるのを確認して、ドアをノックした。

『はい』

中から声がした。

「失礼します」

ドアを開けると、携帯で話をしているマネージャーと、高瀬の姿があった。

「おはようございます」

泉が頭を下げて、部屋の中に入った。

「おはよ、どうした?泉」

高瀬に声をかけられて、その。と口ごもった。部屋の中をきょろきょろと見回してみたが、高松の姿が見当たらなかった。

「あの、高松さんは、まだきてないんですか?」

泉が高瀬に聞くと、そーなんだよねー、という返事が返ってきた。

「高松に連絡がいってなくってさ。あいつにきてくれってマネージャーが連絡してるんやけどな。ごねててさー」

マネージャーの方を見ると、確かに、マネージャーが、本人がそばにいるわけじゃないのに、携帯で話をしながらぺこぺこ頭を下げていた。

「高松さん、誰かと居るんすか?」

恐る恐る聞いてみた。

さぁ、と高瀬が答えると、マネージャーが大きな声でホントですか!?と叫んだ。

「えぇ?チケット!?・・・わ、分かりました!用意します!」

ぱくん、と携帯をたたむと、マネージャーがワタワタと部屋を出て行った。