「はぁ・・・このまま、奈緒のことを奪ってしもたら、奈緒は怒る?」

「な、なに言って」

高松の真剣な声に、奈緒は少し慌てる。

「恨まれても、憎まれても。俺のことだけを思ってもらえたら。そう、思ったりもしてな」

「高松さん・・・・」

ふっと、高松は笑った。

「ごめん、俺。何言うてるんやろうな」

そう言うと、体を離した。
心臓がばくばくなっていた。

「・・・びっくりした?」

無言で頷いた。

「はは、ごめんごめん」

笑って頭をぐしゃぐしゃ、と、撫でた。

「こうやって、時々遊べるんや。今の彼氏と、どこまで順調に行くかもわからんのに、せっかく築き上げた、友達以上・恋人未満のこの状態は、手放したくないしな」

「いや、友達以上・親友未満やろ」

「えぇ!?」

「あははははは」

ふふっと、高松も笑った。