久しぶりの自分の部屋に戻った。
ベッドの上に、腰を下ろし、親父の言葉を思い返す。


何だ、あの態度。
今までどんなに、女性関係のスキャンダルがあったとしても、一度もあんなふうに聞かれた事はなかった。気にされたことも。
なにか、引っかかる。

もしかして、昔、親父が手を出した?
・・・いや、いくらなんでもそれはないか。親父と接点があるとは思えない。
確かに、女癖は悪いし(俺でも、ひどいと思うくらいだ)あちこちに、手を出しているらしいが。親父と奈緒につながりがあれば、俺のことは知っているだろうし、近づきにくいと思うだろう。

じゃぁいったい、何なんだ?
意味がわからない。


「どういうことだよ」


何度考えてみても、まったくわからない。
いったい、何があるっていうんだ。


静かに、深く、ため息をついた。