***** 高松's View *****

「ちょっと、高松さん!レポーターがすごいんで、ちょっと、こっちから出てください!」

岸田が高松と高瀬を誘導した。

「高松だけ、別で出たらいいんじゃないですか?」

のほほんと、岸田に聞くと、首を横にふられた。

「なに言ってるんですが、高瀬さんの相方の話なんですから、一緒に巻き添えになるのわかってるでしょ!?ほら、こっちです」

いつもの、頼りなげな岸田に比べて、今日は少しばかり語気が強かった。

「わりーね、高瀬も、岸田さんも」

気にするな、と、高瀬にひらひらと手をふられる。

「俺もさすがに、今回の件はいきすぎやと思うわ」

「そうですよ!奈緒ちゃんがなんで狙われるんですか!」

2人とも、奈緒のことを気にかけてくれ、写真を取られた俺の責任でもあるのに、俺が写真を取られるのはいつものことだ、と、2人は笑ってくれた。
奈緒もそうだ。俺が、外にもかかわらず、抱きついたりしたせいにもかかわらず、俺に甘えたせいだと、自分のせいだと言っていた。
過去何度か、こういったスキャンダルはあっても、相手が自分のせいだと言って、俺を責めなかったことはなかった。責めないときというのは、相手もそれに便乗して、楽しんでいるときだけだった。