ラフ

書き込みをした女性の素性は、皆目検討がつかなかった。

「高松さんは･･･知らないですかね？」

「あぁ、高松さんにも、話を伺ってみたんですが、この女性とは、面識がないらしく、名前も知らないと」

「そうなんですか･･･」

ちょうどそのときだった。奈緒の携帯がなる。携帯を確認するとメールが受信されていた。

「あ、高松さん」

メールを確認すると、内容は、電話できないか？という内容だった。


･･･そういえば、結局私、高松さんに連絡先教えてないや･･･


そう思って、高松に電話をかけた。

コール音がなる前に、すぐに電話に出た。

『はい、もしもし』

「あ、もしもし、奈緒です」

『あ、奈緒ちゃん！？無事！？』

「え？」

『少し前に警察の人がきて、奈緒ちゃんが狙われとるって』

「あー･･･はい、まぁ」

抜けたような返事をすると、高松が拍子抜けといったふうに本当に？と聞いてきた。

「今は、美人の刑事さんに守ってもらってますから、大丈夫です」

『あはは、それは羨ましい』

「でしょう？」

『でも、狙われてんのは、奈緒ちゃんやって聞いた。俺も、何とかするから』

「ど、どうするんですか？」

『まぁ、俺にしかできない方法もあるってことやで』