明日香や、同僚の2人、泉に今の状況を軽くメールしておいた。心配をかけてごめんね。と。

ほどなくして、九条が戻ってきた。かってきてくれたおにぎりとカップめんを食べる。

「う~ん、久しぶりにカップめんとか食べるとおいしい」

九条はニコニコ笑いながら食べていた。

「そうですね~」

ずるずるっと麺をすする。
久しぶりに口にするインスタント食品を堪能しながら、テレビをつけた。
画面には、なんともタイムリーな、ピースの2人が出ていた。

思わず噴出しそうになる。

「あはは、ナイスタイミングやね~」

「わ、笑い事じゃない!」

あはははは、と笑う九条を、キッとにらみつけた。
お昼はこれ!という、定番の国民的生番組で、ピースの2人はレギュラー出演している。

「まぁ、ここまで人気のある人だったら、確かに追っかけとかもすごそうよねぇ」

ずずっと麺をすすりいれた。
はぁ、と力ない声で答える。

『そういえば、最近、高松は女性関係でかなり話題になったなぁ』

『あれは、彼女なの??』

他の共演者たちに突っ込まれる。
高瀬はニヤニヤと笑いながら、高松を見ていた。

『いやぁ、彼女になってほしいんっすけどねぇ、俺、振られちゃいましたから』

『えぇ!?ほんとに!?』

『だって、こう、抱きあってたじゃん』

他の共演者が抱き合って悪ふざけをしてみせた。

『残念、彼女のほうには抵抗されたんですよ~。やめなさいって』

あはははは、と笑う。

『でも、ほんとのところはどうなのよ!?高瀬は知ってるんじゃないの?』

『えぇ?俺っすかぁ?うーん、まぁ、彼女、脈なしって感じってことくらいしか、わっかんないっすよ』

けらけらと笑って答えた。

「やだ、全国ネットで奈緒ちゃん、告白されちゃってんじゃん」

ひゅー、と冷やかされる。
勘弁してくれ、と頭を抱えた。