あはは、と乾いた笑いが部屋に響いた。

「ごめんなさい。私より、年下だとばっかり」

「いえ、私も、九条さんの方が年上だと思ってたんで・・・」

「あ、ひどい」

「えぇ?お互い様じゃないですか」

互いに顔を見合わせると、思わず笑ってしまった。


それからしばらくの間、2人でいろいろなことを話した。
というか、また、家の鍵を借りるのを忘れていたため、奈緒は泉の家から出られないため、他にすることがなかった。

九条は、奈緒の1つ年下。彼氏はおらず、今は、一人でも多くの犯罪者を捕まえることに闘志を燃やしていた。九条の両親は、どちらも警察官らしい。

「でもほんと、すいません。私なんかのお守りをお願いしちゃって」

あはは、と苦笑いすると、九条は何を言うのかと、奈緒を怒った。

「人は、どんな理由があっても、殺していいなんてこと、絶対にない。ましてや、今回の奈緒ちゃんの狙われてる理由なんて、逆恨みもいいとこ。私は、奈緒ちゃんの身を守って、必ず、犯人を逮捕してみせるわ!」

めらめらと燃えている九条をみて、なんだか嬉しくなった。

「ありがとうございます」

「とんでもない。それより、その敬語、やめてもらってもいいかなぁ・・・」

奈緒が首をかしげると、九条はだから、と、もう一度言った。

「敬語。私のほうが年下だし、やめてもらっていいかなぁ?」

「えぇ?でも、警察の人だし、その・・・なんだか」

ついつい敬語になってしまうというか。
うーん、と困る。

「私は警官だけど、別に警官には敬語で話せ、なんてそんな法律ないじゃない」

にこっと笑う九条の顔を見ると、無理です、とはなんとなくいえなかった。

「そうですね・・・じゃないや、そう、やね」

なんだか変な感じだ、とくすくすと笑った。