「どうぞ・・・」

刑事2人にお茶を渡した。缶のままでは、いささか悪い気がしたので、コップを用意して出した。泉には、申し訳ないが、コップがないので、缶のまま渡す。

「あ、すみません。どうぞ、おかまいなく」

気まずい雰囲気が、4人の間に流れた。
そりゃそうだ。高松の彼女だかなんだかと思われたせいで、似た容姿の人が襲われたってのに、当の本人は、別の人物、高松ではないにしても、そこそこに有名な泉と、家にいたのだから。

「それで、話というのは」

あぁ、と桜橋と今里は、手帳を取り出して、話を始めた。

「最近、ネットで殺人予告をしたりというのが頻繁に起こっているのはご存知ですよね?


「はい」

「その中に、詳細な情報まで記載された、あなたの殺人予告がありました」

「・・・はい」

「内容は、ピースの高松さんと一緒に、抱き合っていた女性を殺害するといったないようです」

「・・・抱き合ってなんか、いませんでした」

「まぁ、写真をぱっとみただけだと、抱き合っているようにも見えますからね」

「・・・・・・・・」

なんで、幸せな時間は、こうも続かないものなのかと、泣けてきた。

「まぁ、それはおいておいて。そのときに、ネット上で、一時、あなたの顔写真が流れたそうです」

「はい、同僚に聞きました」

「同僚?」

「はい、勤めている会社の同僚です。昨日、会社へ行ったときの、みんなの態度がおかしくて。私は、その話を知らなかったんですが、お昼を一緒に食べた同僚が、教えてくれました。でも、その写真はすぐに消されたって言ってましたけど」

今里が頷く。