その言葉はけっこう難しいことだった。

歩いていくと、何だか木がやたらゆれている。

見ると、浅い根っこは足の様に動いていて、木達は少しもじっとしていない。

来た道、行く先の景色は、だから、遠慮なく変わる。

それどころか、烈花とアイリーンの間にまで、割って入ろうとする。

いい加減、動く景色に酔いそうになったころ、

「ここよ」

言って、アイリーンは動く木の一つを取り押さえた。