目の前に、濃い青色の、水のカタマリが現われて、その中に、渚の姿があった。
「なぎっ」
指を鳴らす音がして、水がはじけた。
水は空中ではじけて消え、渚の身体だけ、どさりと目の前に落ちてきた。
渚がゴホゴホとむせる。
「彼は、人質だ。お前がどれかを承知しない限り、彼も帰れない」
「はあっ!?絶妙に、どうでもいい、人質なんですけど」
「それは、どうかな」
ボルドーは笑い声を上げて、立ち上がった。
そのまま、かべの方へ歩いていく。
何にもない壁が、彼をよけ、ボルドーは、あちら側へ行ってしまった。
「そんな・・・」
見回すと、一部屋だけの作りの部屋。

