「名前だけじゃない。わからないことだらけだよ。ちゃんと説明して。あたしは、なんでここにいるの?何で、あんたの嫁にならないといけないの?」

ボルドーは微笑んだ。

「私はフィッカスという種族の悪魔だ。このあたりを納める魔王もやっている」

「それで?」

「お前が生まれたとき、たまたま人間界を通りかかり、大事なピジョンブラッドのルビーを落としたのだ。お前の中に」

「はあ?」

「ルビーは知ってるな?」

「うん。まあ・・・」

「その中で最高の色と言われている色を『ピジョンブラッド』というんだ」

「それを・・・落としたの?」