☆ 陽の光に、透ける赤い髪。 冷たく怒(いか)らせている顔は、お人形のように可愛い。 その顔で、烈花はすっと足をあげた。 ドレスのすそがめくれ上がるのなんかかまわない。 宿敵、渚(なぎさ)めがけて蹴りをくりだす。 自分より背が高い相手。 対する渚は避ける気配もない。 男の子らしくて美形だと言ってもいいほどの顔立ち。 一緒にいれば、絵にならないこともない。 のだけれど、いつも、渚は列花を怒らせていた。