「いや、現に気を失わずにここにいる。相当な、心臓だ」

会場の、天窓が開けられた。

天空に二つの月がかかっっている。

その光に、青白く照らされる。

浮かび上がる、烈花のウエディングドレス。

可愛いつくりの顔。

妖しい綺麗さ。

彼の手を振り解いて逃げたいところだけれど、他の者に食い殺されない保障がどこにある?

「さあ、それを飲んで」

手に持たされたグラスを見る。

中は赤い。

ワイン?