うごめいていたのは、かろうじて人の形はしているものの、人なんかではなかった。

気を、失いそうになった。

「大丈夫か?」

支えられて、そのまま、彼に抱きついた。

ここでは、彼意外、人間の形の者はいないのだ。

「ここって・・・」

「魔界だ」

「・・・嫌だ」

「すぐに慣れる」

「とてもそうは思えない」