その晩私は篠宮さんに電話をかけた。 『―――真琴?』 受話器越しのかすれた声になんだかドキッとしながら、私は口を開いた。 「あ…夜遅くにすみません。今大丈夫ですか?」 『大丈夫だ。どうした?』 「………おとうさんが勝手なことをしてすみません」 そう言うと篠宮さんは小さく笑った。