孤独な花と孤高の王子






…そうだよ。


今は“恋人のフリ”をしてもらっているだけ。


義父がいなくなったら、私たちの関係も終わり。


………ひとりになるんだから。
だから、誰かがそばにいてくれる環境に慣れちゃいけない。




誰かに頼ってしまったら、二度と自分の足でなんか歩けない。
そのくらい、私は脆い。




―――私は開発室まで走りながら、そう思った。
汗なのか涙なのか、よくわからないけど頬を伝った。