電話を取ると、ものすごく慌てた篠宮さんの声が聞こえた。 『―――真琴っ!おまえ、ちゃんと家に帰ったか!?』 「…帰りましたけど」 そうぶっきらぼうに答えると、電話の向こう側からため息が聞こえる。 『ならよかったよ。…親父さんのこともあるし、その、…俺もひどいことしたから、変な気起こしてたらどうしようかと思って』 私の機嫌を伺うような口調に、私は思わず小さく笑ってしまう。 …そんなに心配してくれたんだ。