…かわいいなぁ。 って、なに考えてるんだ俺。 これじゃまるで本気で付き合ってるみたいじゃないか! 「―――つーかさ、男と付き合ったことないわけ?笹倉くらい美人なら言い寄ってくる男いただろうに」 気づくと俺は慌てながらそう口を開いた。 「………そんな人いませんよ。いたらあなたに頼んでいません、恋人のフリなんて。…社長候補の方になんて」 そう言うと急に彼女は頭を上げ、私をじっと見つめる。