孤独な花と孤高の王子

―――――と、思っていたんだけど。


ひょんなことから、笹倉真琴の“彼氏のフリ”をしてやることになった俺。



『お断りします。忙しいので』


彼女は、俺に声をかけられても全く顔色を変えずにそう断った。
そんなことをされたのは初めてで、俺はムキになって彼女にちょっかいをかけ続けた。


…生意気な女だ。
俺を断ってまで大事なものって一体なんだ？


そう思っていた俺に、笹倉が示した現実は想像したよりも深刻だった。