『初めまして。…ただいま社長よりご紹介に預かりました、篠宮誓と申します』 眠気が飛んだ。 だって、篠宮さんが次期社長候補としてスクリーンに映っているから。 ………私、昨日あの人に恋人のフリを頼んだんだよね? 「嘘………」 そうつぶやいた瞬間、ポケットに入れていた携帯電話が振動して着信を告げる。 私はこっそり会議室の後ろに下がり、ディスプレイを確認した。