開発室を出て外の空気を吸うと、何となく一日の疲れが抜ける気がする。 私が傾き始める夕日を眺めながら息をつくと、どこからともなく私を呼ぶ声がした。 「笹倉、遅いぞ」 その声にギクッとしながら振り返ると、そこにはあの人が立っている。 「…おい、忘れたのか?約束は守れよ」 そう言われて私は目を見開いた。 …そうだ、今朝……… 「わ、忘れてませんけど…」