―――――夢みたいだった。




見上げるとそこにはまっすぐ前を向いた篠宮さんがいる。


何も言わずエレベーターに乗り込み、どこかに向かっている。



「あ、…あのっ!」


少し落ち着いてきた私がそう呼びかけると、篠宮さんは優しい視線を落とす。



「ん?どうした?」


「今…どこに向かってるんですか?」


「上に部屋取ってあるから、そこ」