孤独な花と孤高の王子






私はその女の人に連れられて、会社の医務室に案内された。


その人は私をいすに座らせると、私の手をそっと握る。
そして、泣きはらした私の頬を優しく撫でながら口を開いた。



「ところであなた、お名前は?」


「か、開発室の…笹倉です」


そう言うと一瞬目を見開いたような様子だったその人は、そっとつぶやく。



「…そう、あなた………」


しかし次の瞬間気を取り直したように話し出す。