誰もいないと思って駆け込んだトイレには、上品な女の人がいてメイクを直していた。 その人は泣きながら駆け込んでくる私を見てびっくりした様子だったけど、すぐに私にハンカチを差し出してくる。 「あらあら、どうしたの………さ、使って?」 いかにも高級そうなそのハンカチを受け取るのに戸惑っていると、その人は私の目元をそのハンカチで拭い始めた。 「あ、…す、すみません」 「いいのよ、こんな綺麗な女の子が泣いてちゃみんな仕事にならないわ。…よかったら私に話してみない?」