立ち上る細い煙。 それは母と義父を繋ぐ糸に見えた。 そして、私と篠宮さんを繋ぎ止めていた糸のようにも見えた。 この糸は、いずれ消えてしまう。 …義父は、母の元にいけて幸せなんだろうな。 私は、その煙を見つめながら一人で泣いていた。 …訳もなく流れる涙の意味を、なんとなく理解しながら。 これが終われば、すべてが終わる。 ………終わらせてしまうんだ。