今日も、夢を見た。

あたしは一人で立ち尽くしている。

世界に色はない。

彩度のない世界では、白と、黒と、その中間しか存在しなかった。

手の平を見たって、真っ白。

寝る前に着ていたお気に入りのパジャマだって、色が無いからちっともかわいくない。



つまんないくらい真っ白な地面が、気の遠くなるほど先まで広がっている。

固いくせに、足音をたてさせてくれない。

だから、歩いてると不思議な感じ。

蹴れば確実に跳ね返してくる地面は、そこにあるのに『ない』みたいで。



真っ白いそこからは、黒いなにかがあちこちから生えている。

それは液体のようで、固体のようで、気体のようでもある。

埋めた種が芽を出して木になっていく様子を早送りしたみたいに、むくむくと動いては境界のぼやけた空へ手を伸ばしていくんだ。

その黒いものがなぜか生えないところがあって、あぁ、これは道なんだって気がつく。


ここまで全く同じ。

これは昨日見た夢と同じ。

昨日見た夢は、おととい見た夢と同じ。

あたしはそうやってずっとずっと、同じ夢を見続けてきた。