十字架に愛を




「珠妃を殺したりしません。」


真剣な眼差しで琉が答える。


「…どうやら監視しなきゃいけないのは、血に関してだけじゃなさそうですね。」


そう言って武藤先生は、始めて笑った。


「え…?」


私と琉はわけがわからず同時に聞き返す。


「吸血鬼と人間のカップルは実例がないですから。」


そう言われて二人で顔を赤くした。