十字架に愛を




琉のせつなげな声が耳元で呟く。


“あれ”。


私は意識を失う寸前に紡いだ一言を思い出す。


「…そのままの意味。琉が、好きなの。」


「俺、吸血鬼だよ?」


きゅっと強く抱き締められる。