でも、それも束の間。


琉に全てを持っていれるような…そんな感覚に陥り、私はかくんと腕を落とした。


「…りゅ、好き。」


餌でも、人間でも…


私は吸血鬼の琉が好き。


意識を手放す刹那、霞んでぼんやりとした視界に映ったのは


唇から溢れた血を舐めとる琉の姿だった。