伊織も興味なさそうだったし、その会話は終わったものだと思っていた。 すると。 「何かあったら俺に言っていいから」 突然、そう言われた。 …空耳? 今、空耳が聞こえた? キョトンとして隣の伊織を見つめる。 しかし伊織は無表情に外を眺めていた。 特にそれ以上何も言ってこない。 まさか、怪我の理由に気がついてたとか? いや。 空耳だ。きっと。 それか幻聴だ。そうに決まっている。 それから伊織は口を開かなかったため、私も何も言わなかった。