お昼休み。

伊織はそそくさと教室を出ていってしまい、私はポツンと残された。
初日なんだし、学校内を案内するとか食堂までついていってくれるとか少し期待したけど、そんなわけもなく。

「だよね~」


仕方なくひとり食堂の場所を探していた私。

しかし今は何故か校舎裏にいた。
人気のないじめっとした場所。
目の前にはいかにもお嬢様って雰囲気の女の子が三人。


祝、初めての呼び出し。

いゃぁ、実際にこんなことがあるなんて。
食堂を探していると着いてこいと有無を言わさず連れてこられたのだ。
きっと絶対に伊織関係に決まっている。
朝の様子から呼び出された理由はわかりきっていた。


「ねぇ、あなた伊織様の何なの!?」
「そうよ!朝、同じ車から出てきたでしょう!」


案の定、伊織のことだった。
この人たち見てたんだ。

何なのって言われても、一応は“妻”?


……絶対言えない。
言ったら死ぬかもしれない。


「えっと、親戚です」
「あんたみたいな女が親戚にいるなんて聞いたことないわっ」


何をどこまで知ってるんですかー。