って、思ったけどさ!?
悪い奴ではないだろうけど、でもこれは言ってくれても良かったんじゃないかな!

そう思いながら隣の席の伊織を軽く睨む。
その視線に気がついて伊織は振り向いた。


「何?」
「……別にぃ」


シレッとした顔しちゃって。
あれから担任の先生と一緒に教室へ向かう。
そして、案内された教室に入るとそこには伊織がいたのだ。

絶対知っていたはずだ。同じクラスになること。ちっとも驚いていないし。
それなら事前に一言言ってくれても良かったのにと私はふて腐れる。


「同じクラスの方が何かと都合がいいだろう」
「都合って?」


意味がわからず首を傾げる私を横目で見て、再び頬杖をついて黒板に視線を移す。
それ以上はなにも言ってくれない。

何だ?わけわかんない。
本当、私だけがわからないことが多い。
なんだか先が思いやられる。


私、やっていけるかな……。



無意識に深いため息が出ていた。