幼い可愛い声が聞こえ振り返る。
いつの間にいたのか。小さな女の子が隣に立って私を見上げていた。
「おねぇちゃん、何かご用?」
「あっ、えっと……」
小学校一年生くらいだろうか。花柄のワンピース姿で、髪をリボンで結んだ可愛い顔した女の子が目をクリクリさせて見上げていた。
その愛らしい姿に一瞬で頬が弛む。
何この子!可愛い!
凄く可愛い!
美少女と言える可愛らしい女の子にくぎ付けになった。
女の子はコクンと首を傾げる。
「お客さま?」
「あ、えっと」
なんて答えたらいいのか迷った。
お客様ではないだろう。
う~ん……。
思わず腕を組んで考える。
そして、はたっと気がついた。
ってか、この子は?一体誰?
「その人はお客様じゃないよ、莉奈」
声がしたほうを向くと、そこには道路からこちらに向かって歩いてくる雨宮伊織の姿があった。