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そして、私は今、荷物を抱えて雨宮家の門前にいる。
あの後、親たちが今後について話し合った。
とりあえず、籍は入れておいて結納や式は卒業後ということに決まった。
そして、結婚をしたからには一緒に生活をするのが普通だ 、ということになり、私はこの雨宮家に引越しをしてきたのだ。
やっぱり一緒に生活しなきゃならないよね。
今日からここで生活するのか。やっていけるかな。
不安は大きい。
でも、着いてくると言った両親を断り家を出たのは私なりの覚悟のつもりだ。
きっと両親と来たら決心が鈍る。
大きな門を見上げ、自然と深いため息が出た。
これからのこと、色々と考えると涙が出そうになるため、グッと唇を噛み、顔を上げた。
泣くな、私。
泣いたら負けな気がする。
泣いたらこの抗えない力に負けた気がするから、泣かないことで少しでも抵抗するんだ。
「よし!」
深呼吸をして覚悟を決めてインターホンを押そうとした時……。
「おねぇちゃん、だぁれ?」