―7月7日―
目が覚めた織姫の耳に
嫌な音が響いた
「今日は雨…。」
せっかく、愛しい人に会える夜
この特別な日が雨だなんて
こんな雨じゃ、
鵲達が翼を広げられない
何のためにこの一年。
ずっと頑張ってきたの?
自分の一年間を否定されたような気がしてぶつけようのない感情に押しつぶされそうになる
「来年までまつなんて…
そんなの…ごめんよ…」
「織姫…そう気を落とさずに…
一年なんて早いものだぞ」
来たかとおもえば
簡単にそんなことを言ってみせる
そんな父上に腹が立った
「…っ父上は!!
私の一年をなんだと
思っているのですか!?」
手元にあったクッションを父上に投げつける
「私はっ…!
この一年間ずっと…
あの方に会いたくて…
でも、今日のために
我慢してきたんです…!
それを、早いものだなんて簡単に言わないでください!!」
言葉を出すたびにあふれてくる涙
「織姫…。」
「もう出ていってください…」
天帝は織姫に背を向け
とぼとぼと部屋を出ていった



