「‥‥」


追い掛けてきたはいいものの
あの人は校舎の裏に行って
そこには1人女の子がいて‥

どうやら告白の場面らしい。


「(戻ろっかな‥)」


人の告白の場を
盗み聞きするのは気が引ける。

引き返そう、そう思ったとき


「す、好きです!」


女の子の声。
やはり告白の場面だ。

ここまで聞いてしまうと
返事が気になる。

悪いとは思ったけど
OKしたら諦めよう
そんな気持ちで返事を待った。


「ごめん‥」


どうやら女の子はフラれたみたい。


「俺忘れられない子いるんだ」


「(え‥。)」


私までフラれた気分になった。


「そ、そっか‥ありがとう」


そう言って女の子は去っていく。


「こっちこそありがとな」


そう言ってあの人も
その場を去ろうとする。

しかしあの人は
私のいる方へ歩いてきた‥!


「(やっば‥‥‥‥)」


盗み聞いてきたと知られたら
嫌な顔をするに違いない。

思わず私は
校舎裏に用があるかのように
平然とした顔で歩きはじめてきた。