「話しかけなきゃ!」

「でも〜‥なんて?」

「気になってますって!」

「むりむりむりむり〜」

「唯〜‥」


あの日ぶつかった人に恋して
一週間が経った。

思えば彰吾以外の人を
想ったことはなくて

どうアタックすればいいのか
全然分からない。

友達にアドバイスを貰うものの
勇気もなくて行動に移せず‥。

メールも結局送ってない。

今さら送るのも、なんか‥。


「名前くらい聞けば?」


そう、名前すら知らない。

結構人気者みたいで
いつも男友達といるか
ファンと思われる沢山の女の子達に
囲まれてる。

そこもまた彰吾を思い出す。


「やっと理想の人に会えたのに〜」

「怖いんだもん‥」

「あ、一人になった!チャンスだよ!」


ほらっ、て春奈が背中を押す。

その勢いに乗せて
私はあの人を追い掛けた。