* 角砂糖 と 恋 *




「(とりあえず、なぜ
  名前知られてた‥‥?)」


そこが疑問で仕方がない。


「うーん?」


一人首を傾げながらトイレへ向かう。


「なんだよ(笑)」

「(この声‥)」


思っていた矢先、
あの人が廊下に立っていた。

けど、隣には可愛い‥
というより美人系な女の子。


「今日一緒に行こうよ〜」

「むーりっ」


どこからどう見ても
美男美女カップルが
会話しているように見える。


「(彼女いるんじゃん‥)」


"忘れられない子"は断る口実?


「(はっきり彼女いるって
  言えばいいのに‥)」


なぜかムスッとする私。


ドカッ‥


「い、痛ぁ‥」


ドジだ、私。
動揺のしすぎで何もない所でこける。


「唯ッ‥!」


そう誰かが私を呼んで
こけた私に手を差し延べる。


「ありがとう‥ございます」


あの人?と思いきや
全く知らない男の人。


「(誰‥?)」


「大丈夫?」

「あ、はい、ありがとうございます」

「気をつけてね」

「あの‥今唯って‥なんで?」

「ん?わかんない?俺だよ」


「(俺だよ‥って?)」