彼女に出会ったのは夏というにはまだ早い季節だった。 夏。 何かに出会えるような何かが日常を非日常にしてくれるような、そんな感覚を訪れと共に感じてはいても実際は何も起こらない何も変わらない季節。 高校二年生の夏。 15回過ごしてきた夏と何ら変わらないと思っていた夏。 何かを手に入れられそうで、でも何も手に入らないとわかっていた夏。